睡眠時無呼吸症候群

平成23年1月20日に東京歯科大学

第7回東京歯科大学外科的矯正治療勉強会で睡眠時無呼吸症候群について勉強してきました。

講演は千葉大学麻酔科の磯野史朗先生でテレビもの幾度が出演している有名な先生です。
講演はわかりやすく、論理的で素晴らしいものでした。

日本でも新幹線の運転手がこの病気で居眠り運転をしたとして、クローズアップされていましたが、成人の突然死に大きく係わっている怖い病気だと聞きました。

さらに怖いのは小児の睡眠時無呼吸症候群で低酸素症による発育障害や特に脳の活動が悪くなりかなり重篤なケースがあるようです。
まさに、寝る子は育つです。体の成長のみならず学力低下の原因にもなるようです。

成人の場合は肥満等が原因のケースがある反面、小児では扁桃腺や小額症等が多いようです。

小額症はまさに我々、矯正歯科の分野で、アメリカでの統計で小児の睡眠時無呼吸症候群のケースで扁桃腺と小額症両方に原因があると思われるケースに
1.扁桃腺摘出手術のみ行なった場合
2.矯正で顎の拡大のみ行なった場合
上記1.2.では半分ぐらいの改善しか見られなかったようです。
そこで上記1.の人には2.の処置、2.の人には1.の処置を行なうことにより、80〜90%の改善が見られたとのことでした。

結論としては併用した方がより効果的とのことでした。

このような患者さんに対して、耳鼻科(扁桃腺やCPAP治療等)と矯正歯科(下顎骨前方スプリントや歯列拡大等)の連携診療も、より充実していく方針です。

福増
当院において行った、小額症の治療の一例です。
成長期の患者さんにこのような治療は上顎前突の形態的改善のみならず、呼吸系の機能的な改善にもつながります。
治療前

治療後